2011/08/18

子供より古書が大事と思いたい/鹿島 茂


子供より古書が大事と思いたい
鹿島 茂著/増補新版・青土社


著書の鹿島先生は、フランス文学者であるが、古書コレクターとしても有名。
主に19世紀フランスの挿絵本を多く所有されています。
そのあたりの古書についての知識を交えながら、稀覯本を手に入れるまでのエピソードが
そりゃあ詳しく書かれているのです。
古書好きにはたまらない一冊。

上の写真の帯にあるコビーが秀逸。「買うも地獄、買わぬも地獄」ってね〜。
何かをコレクションしてる人ならよくわかりますね、この気持ち。

本についても詳しく述べられていて、挿絵や装幀などの写真も(モノクロですが)。


この装幀は、今年3月に開催されたグランヴィル展に出品されてましたね。

装幀の種類と保存状態が古書の価格を決定する大きな要素であるということで、
レベルの低い厚紙の装幀から上等の革装本についても、詳しく解説されています。
革装のなかでも、使われている革の種類から装幀の仕方でランクが分かれる…等々。
パリの古書店事情から業界裏話まで、
どこまでも掘り下がっていく愛書狂ぶりが素敵です。

ほんとにこの方、コレクターの鑑ですね。買わずにいられないという…
呼んでいる、どころじゃない、使命感があるんですね。手に入れなきゃならないという。
この辺りの心理が透けて見えるようで、それもまたこの本の面白いところ。

家族連れで赴いたフランスでは、家族サービスのときでも古書店付近を通るようなルートを計画するなど、タイトルの「子供より…」というのもうなずけるエピソードも披露されています。




増補新版のこちらでは、巻末のパリ古書店案内が更新されているそうです。
表紙は旧版のほうが好きだけどなあ。

マニアックな内容ではありますが、軽快な文章なのでするっと読めます。





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